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大阪・関西万博のパビリオンで活用されるヨシ

 屋根を構成しているのは、全国の有名な茅場(かやば)から採取されたヨシやススキです。

淀川水系のヨシは、琵琶湖を出発点とする京都宇治川・淀川のヨシ

です。

 

 かつては人々の暮らしに溶け込んでいたものの今は激減している茅葺き屋根。

こうして現代の万国博覧会に登場することで改めて、先人達は実にうまく身近にある自然を生活に

取り入れて共生してきた、という彼らの知恵と工夫を改めて感じることができます。

 EARTH MARTの中に入ると、日本人が一生に食べる卵の数をモチーフにしたシャンデリアが。

 たくさんのいのちを頂きながら、人のいのちは成り立っているという事実について1歩立ち止まって考えさせられます。

決して人間のエゴだけでは、潤沢な食糧や資源がいつでも保障される訳ではないと感じます。

 

人工的な新たな食品の開発は可能ですが、その開発にエネルギーを投じるよりも、

人間と自然の恩恵とが調和をとりながら、補い合いながら暮らしていける工夫や知恵を絞ることの方が本質的ではないかと改めて感じたパビリオンでした。